しばらく更新できず、ごめんなさい。院生活もようやっと一ヶ月が経ちました。
色々と発表やレポートなどが立て込んでいて、なかなかブログを書く時間がとれませんでした。
それにしても、もう一ヶ月。早いです。
この間、クレオール主義に関連した授業で発表がありました。形式としては課題図書の要約と感想を述べるような内容なのですが、そこで書いた感想があまりよくなかったのか、先生のなんとも表現しがたい表情がいまだに浮かびます。
どんな感想だったのか、それは『クレオール礼賛』という本についての感想で、クレオールという現象自体に対しエキゾチシズムのような視点で見てしまう云々といった感想でした。
人種間の差異に悩まされたことがないという前置きをしたために、クレオール自体にエキゾチシズムを感じるのかというような誤解をされてしまったようで、差異はどこにでもある、どこか辺境の地で暮らしてみたらどうかとか、実際に人種間の問題を背負っている人からはその方の出自の話をしていただいたり、なんだか言いたかったことと受け取られ方が大分違うのではないかと、どうすればいいのか軽く混乱してしまいました。それと、そうした反応がちょっとショックでした。
もちろんフォローしました。言いたかったことは、結局彼ら(『クレオール礼賛』は複数の作者で書かれているので)の気持ちをわかるなんて嘘は絶対に言えないし、こうしたある種宣言書のようなものを書かなければならないほどの人種差別を感じたことがない僕にとって、こういったものをどう受け取っていけばいいのか。正直、本を読んで思い描いたことは、こうした人種の混淆によって生まれた文化や人種、言語がどのようなものなのだろうか?という興味の視線であって、それこそ単なるエキゾチシズムに他ならないのではないかということ。もっと言えば、こうした物珍しい現象に対し、奇異と好奇の眼差しで接していないかということを問題にしたかったからエキゾチシズムという言葉を書いたのです。それがうまくいかなかった(のかな?)。
あれほど、どういう風に受け止めればいいのかわからない反応は人生で初めてでした。結果的に、伝わっていたのか、伝わっていなかったのか、多くの議論を生み出した点で授業の内容は充実していたと思いますが、皆さんが僕をどう見ていたのか。無神経なやつ、軽薄なやつと取られていないか…。
紙面の都合上端折らなければならなかった部分もあったのですが、短い文章で全てを伝えられない無力さと自分の能力のなさに落胆しました。軽蔑されるのは構いません。でも、書いた文章で人を傷つけたり、誤解されたままなのではないかと感じることが、これほど辛いものとは思いませんでした。
もっと、もっと書く時には全神経を使わなければ。そういう面ではいい経験でした。
今日の授業で自分の言葉で対象に迫るというようなことを先生が仰っていました。
自分の言葉とはまた難しい。
そもそも美術作品を言葉化すること自体、非常に多くの問題を孕んでいます。
言葉の選定、アプローチの仕方、とにかく記述するということに至るまでの複雑な過程は考えれば考えるほど奥深いもので、果たして答えらしきものをみつけることは可能なのでしょうか。
初歩的なアプローチの仕方としては5W1H法と言うものがあります。
その作品がいつどこで誰が何をどうして描いたのか?という疑問の抱き方ですね。
目の前にある「それは何だ?」という問いこそがアプローチの始まりです。
そして、自分があらゆる表現を意味する言葉を持っていないと、そもそも「それ」を純粋に言葉化することはできない。
知らない言葉を知り、使いこなすことができるようにならなければ、そもそも書けないってことです。
自分なりの美術史を構築するために、これから色々と考えていこうと思いますが、まずは言葉の勉強からですかね。
今日はじめて大学の図書館に行ってきました。
とても広くて、静かで、蔵書の数もとんでもない量でした。
肝心の美術史関連の本はどうかなと見に行ったのですが、やはり学部にない領域のためか、非常に少なかったです。
もしかしたら、自分が持っている本の方が多いかもしれません。
ただ、一点だけスヴェトラーナ・アルパースの
『描写の芸術』が置いてあったのは驚きでした。
原著は持っていたのですが、日本語訳されたものはなかなかお目にかかれなかったので。
ということで早速借りてみました。
せっかくなので翻訳の助けとさせていただきます。
いよいよ明後日から授業がスタートです。
テレビがない生活を続けているため、よくラジオを聴きます。
しかし、ラジオの電波は時折不安定になるため困ることがあります。
そこで、インターネットでラジオが聞ける「
radiko」というありがたいサービスがあることを知りました。
早速使ってみたのですが、音質も申し分なく、素晴らしいです。
あと録音ができれば最高なのですが…。
と言って、明日からのスタートに落ち着かない夜です。
おやすみなさい。